Get Born
ロックの世界では、独創的で優れたアイデアを提示するなんて意外とつまらない行為だったりします。
ジム・ディキンスンがビースティ・ボーイズについて語ったことを要約すると、ロックン・ロールとは泥棒行為。
ヘヴィなリフが正面切って展開する本作は、実によくできたレトロ・ロック・アルバムで、手拍子やキャッチーなコーラス、あふれんばかりの自信に彩られています。
ジェットの盗みの手口は鮮やかになっています。
AC/DC、ヴァーヴ、オアシス、ハンブル・パイ、エアロスミス、ブラック・クロウズ、ムーニー・スズキから気ままにパクっています。
本作の数少ない弱点は、歌詞と比較的ソフトな楽曲になっています。
歌詞の大部分はきわめて陳腐で、たとえば「なあ、あんな顔が印刷されたカネなんか必要ないよな」という具合です。
まるで「1973年」と入力した最新の作詞プログラムに書かせたみたいです。
アルバムの半分を占めるバラードについては、とりあえず上出来。
このうち、「Look What You’ve Done」はオアシスっぽく、「Timothy」はピンク・フロイド的で、「Move On」はスモール・フェイセス風。
しかし、このグループの本領はミッド・テンポあるいはアップ・テンポのノリのいいチューンです。


